雑誌や書籍のレイアウトを思案するときの、自分にとっての必需品が蛍光マーカー。デザイナーの注意を喚起したいと、気が昂ぶっているときに手にする特別な道具だから書き具合と安定したインクの流量など、おざなりにできない性能、質をほかの筆記具以上に求める。さまざまなものを使った末、世界で初めて蛍光マーカーを発案した、ドイツの
スワン・スタビロ社製品に回帰した。長らく同社の定番「BOSS」を愛用してきたけれど、チューブ状のかたちがユニークな「NEON」を試すことにした。とくに気に入っているのがキャップにクリップが無い点。装飾品としてのハイブランドは別にして、今どき胸のポケットに実用ペンを挿す人はいるのだろうか。無用なパーツだと感じるのだが、日本はもちろん、合理主義を主軸とするドイツの文具メーカーも、この遺物を排除できないでいる。要らないものは、いっさい目にしたくない自分としてはすっきりとした「NEON」のフォルムを使い勝手の実際以前に賛美したくて購入した。
SIGMA DP3 MERRILL