GARAGE BLUE BELL

年々、観光客が目に見えて増えている鎌倉。晴天の日曜日、昼過ぎの駅周辺には都会からのビジターがあふれかえっています。人混みが苦手なぼくは、そのにぎわいから遠ざかりたいと、線路脇のティーハウス「ガレージ・ブルーベル」へと向かいます。洒脱な鎌倉住民のセンスと知性が感じられる和洋折衷の木造民家を活用した空間。縁側に座って、手入れされた庭の植物や枝上のバードフィーダーにちゅんちゅんと集うスズメに目を細めていると、気持がたちまち鎮まっていきます。

英国文化とプロダクツに惹かれる店主が集めた器に盛られるランチのキーマカレー。ウェッジウッドのファイン・ボーンチャイナを惜しげもなく使用。多すぎず少なすぎず。絶妙な量のカレーは体にやさしい心なごむ味。英国のペールエールとともに、幸福な昼下がりの時間が流れていきます。

本物の上質なものをさりげなくちりばめたインテリア。親しい友人の家に招かれたような気分と目線で、豊かな暮らしを想像してリラックス。

食後は紅茶をいただきます。ティー・ポット同様、スコンも大ぶり。苺ジャムと自家製のクロッテッド・クリームもたっぷりとサーブされるのがいい。甘さのない正しいスコンをふたつに割って、クリームとジャムをヴィンテージ・シルヴァーのカトラリーで盛る。これがミルクをなみなみと注いだ熱いアッサムティーによく合うのです。そうして、庭からの風に涼みながら、英国風ではなく、英国そのものの風雅な時間を愛で、いつものように、ついつい長居してしまうのでした。

LEICA M-E SUMMILUX50mm

追伸：北鎌倉でティーインストラクターをされているマダムから以前、スコンとクロッテッド・クリーム（これが林望さんいわく正式な発音だとか）のつくり方を教わりました。湘南ビーチFMマガジンのPDFを参照を。