子どものころ、東京駅南口前のターミナルから実家がある佃島への直通バスが運行していました。ここまで来れば、まっすぐ家に帰れる。安堵する感情は今も心の奥底にひそんでいて、ここに立つと気持がやわらぎます。その南口に面したKITTEで先日はお仕事。窓からは駅舎をまじかに眺められる。その眺望のよさだけでなく、自然光あふれるモダンなビルにときめきました。
朝8時すぎには、吹き抜けのエントランスに会社員が闊歩し、オフィス棟へと吸いこまれていく。傍観しながら、こんな素晴らしい環境で働ける人たちに羨望の想いを抱きます。地下はレストラン、地方自治体のアンテナショップ、コンビニが連なり、昼どきは活気あふれる。東京駅構内へとスムーズに連結するうえ、隣の商業ビルTOKIAともつながっている。この地下の広がりには、ワクワクさせられるものがあります。機会があったら、どこまで地中の街を移動できるのか歩いて確かめたい。
昼休みには、「THE SHOP」を覗き、ミュージアム「インターメディアテク」の興味深い標本展示を鑑賞したあと、地下からTOKIAへ。「インデアンカレー」でランチ。大盛りでオーダーしたミートソースはとても好みの味。懐かしさの奥にぴりっとした芯があるような。東京駅南口で口にするのに、自分にはふさわしい一食に思えました。
SIGMA DP3 MERRILL
