2015年8月1日土曜日

イヌイット・アートの本


カナダの極北民族、イヌイットがつくる石像のオブジェ。どんなものをモチーフにしているのか、造形のパターンはどれほどあるのか、全体を見渡してみたくて専門書籍を入手。



1971年にカナダ、トロント大学出版部が制作。総493ページのボリュームあるペーパーバック。44年前の出版物とは思えない、状態のよいものを南アフリカのセラーから送ってもらいました。




白あるいは黒を背景に、正方形フォーマットでさまざまな石像がすっきりとレイアウトされている。それぞれの写真には石像のタイトル、制作者、制作年、素材が英語、フランス語で添えられる。余白をたっぷりと取った簡潔な構成、紙のやわらかな手触りがいい。



見開きで関連性をもたせた写真のチョイスと編集センス、物を魅力的にとらえる撮影法も秀逸。イヌイットが神格化する動物への情念、厳しい自然でたくましく生き抜く暮らしの情景が、紙面から純粋に伝わってきます。

生涯、そばに置いてページを開いていきたい、ベストブックに出合えました。

LEICA M-E SUMMILUX50mm