仕事場の隣、築地の路地に佇む洋食店「レストランヤナギ」。先日、こちらでふと口にした生姜焼きのおいしさに瞠目。肉の柔らかさと香ばしさのバランス。レモンを絞ったほどよい酸味、適量なご飯とのマッチング、生姜焼きに関してはじめての味覚体験に深い感銘を受けました。秋谷の食堂「TIPI」の定食に通じる、食後に長く余韻をともない続く幸福感。食材へのこだわりを声高に謳う店ではないのですが、大きな感動を受けるのにはきっと明確な理由があると思う。調理の過程で基本を怠らないとか、ていねいで誠実な仕事がひそんでいるはず。愛する人のためにつくる料理と変わらない心のかけよう。その心の気配を感じる料理に出合えたとき、ぼくはたまらなく嬉しくなります。
SIGMA DP3 MERRILL
