2015年10月12日月曜日

プリミティヴ


葉山から秋谷まで海岸通りを南下し、湘南国際村の急坂を登り、葉山のマウンテンサイドへと降りていく、ぼくのスロージョギングコース。走り始めて半年以上が経過し、すっかりルーティンワークのように体が慣れ、楽になっています。




恒常的な行為だけど、道端の風景、例えば茂る草、開く花、光の強弱、空気の質は一刻と変化。それにともない、体感し、視界に入るものに新鮮さを覚え、飽きることがなく、常に心を遊ばせることができます。この地域には、原初を想像させるものが、点在しているのも楽しい。秋谷の古い家には玄関先に近くの海岸で打ち上がる子産石が据えられている。縄文時代には祭祀に用いられていたともいわれる神聖な丸石。そのフォルムを捉えるごとに、気持ちが透明に純化されていくように思います。



国際村に向かう坂途中、子安の里一帯の無人野菜販売所。その佇まいを改めてじっくり眺めてみると、家の基本構造が立体的に見えてきます。そして、人の住居とは、この簡素な空間で十分なのではないか、と小屋暮らしの妄想が再び立ち上がってくるのです。想像と創造の刺激を受けられ、またそのような心のゆとりが持てる、 今のゆっくりペースが自分の性に合っているようです。

SIGMA DP3 MERRILL