2015年12月7日月曜日

Beautiful Sundayが待ち遠しい




鎌倉の「カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ」でマスター堀内隆志さんとフレンチカルチャー全般への造詣が深いライター小柳帝さんの熱いトークイヴェント「ビューティフル・サンデー」の第3回目に参加。静かな朝の鎌倉でゆるやかに、しかし2人の「好き」がトークと音楽を介して過熱していくこのイヴェント開催が楽しみで仕方がありません。マスター業のかたわら、コンピレーションアルバムの選曲もおこなうマスター。手がけたCDはなんと50枚に達したそうです。昼間のコーヒードリップ&接客の仕事を終え、深夜の焙煎、さらには雑誌や書籍の執筆など、いつ寝ているのだろうと思う多忙さ。この日に流す曲を選ぶのに、連日、睡眠時間を削って臨まれた様子。その疲労感がいつも柔和な表情に少しもみられないのが堀内さんの凄さ。




今もこれからもぼくがとうてい手の届かない領域。それは音楽への知識と、自分が安息する音楽への探求心。それは関心と自身の熱のベクトルが向いていないことに由来しているわけですが、ならば、その分野でマスターともいえる人の言葉に耳を傾け、その感覚を感じ、学ぶのが、マイベストな新たな音楽への出会いの近道となるのでは。そう大きな期待を抱いて、このイヴェントに足を運び、そのたびに希望が十分すぎるほどかなえられています。第3回目の特集テーマは「映画音楽」でした。おりしもランブリングレコードからリマスタリングのサントラ名盤35タイトルが発売されることに。より美しく、心に響く音で蘇る懐かしの音楽のなかから、二人が推薦する曲とそのアルバムを挙げてくれました。フランス、ヌーヴェルヴァーグの人気作品やマカロニウエスタンの作品を彩ったサウンド。会場で配られた、エンジニアの専門的解説付きのパンフを開きながら、どんな曲を二人が選ばれるのか、耳を澄まします。その選曲はさすがとただただ脱帽。タイトルから先入観でみてしまうと、自分では選ばないであろうアルバム。しかし、そのアルバムにクールで心地いいジャズがちりばめられていて、その心地いい音楽に心酔します。よい音楽をを見出し、広める二人の感覚に痺れちゃいます。

ちなみに、小柳さんがピックアップしたアルバムは
①「勝手にしやがれ・・・フレンチジャス。16曲目のグルーヴィなスキャットが格好いい
②「突然炎のごとく/恋のエチュード・・・ジャンヌ・モローが歌う「つむじ風」が必聴
③「気狂いピエロ/ウイークエンド・・・ゴダールの名作! 6曲目がいい
④「トラフィック・・・そして小柳さんといえば、ジャック・タチ!
⑤「オーケストラの男・・・最高値で20万円の値がついていた日本未公開映画のサントラ
⑥「バルスーズ/カルモス・・・甘く聞き惚れるジャズ! 

堀内さんは
①「七人目に賭ける男/夜の訪問者・・・映画は観ていないけれど、音楽がいい。
②「仁義・・・タイトルとは裏腹の洒落たジャズ→ぼくはこのアルバムがBESTに思えました
③「帰ってきたギャング・・・ジャスオルガニストの演奏になごむます
④「スヌーピーとチャーリー・・・やっぱりはずせないロッド・マッケン作品集
⑤「ミシェル・ルグラン映画音楽集・・・堀内さんといえば、ルグラン! 「ローラ」に涙
⑥「ジャン=リュック・ゴダール作品集・・・⑤⑥⑦のジャケットがトリコロールカラーの洒脱さ!
⑦「フランソワ・トリュフォー作品集・・・堀内さんの店の名となった作品は収録されていないけれど





小柳さんが開く映画講座をテキストにまとめた「バビロンノート2」も紹介。堀内さんがこの本に相当な影響を受け、映画を観ていることを告白。2はウエス・アンダーソン映画への解説が主となった構成。ぼくもこれからじっくり読みこんでいきたいと思っています。このバビロンノートの1、2(1は残わずか)はカフェ・ヴィヴモン・ディモンシュでも販売しています。

追記:カジュアルでありつつ、上品さと洗練、清潔感がにじむ堀内さんのファッションも憧れ。センスの良さを真似はできないけれど、いつもいいなぁと眺めています。デニムの折り返しと、黒いBlundstoneのゴアブーツ。洒落てるなぁ。


LEICA M-E , ELMARIT28mm