2015年12月17日木曜日

パタゴニア愛


深く冷たい海の底、荒波がひっきりなしに寄せる外洋、そんな大自然のなかでの取材で体を包み、不安をやわらげてくれたパタゴニアのウエア。20年以上も一着を着続けています。とくに1990年代に北米でつくられていた「シンチラ・スナップT」はクオリティの高さ、色合いのよさに魅了され、思い入れは強い。ぼくと同じようにパタゴニアのウエアへの愛情を抱くユーザーがたいせつに着続けてきた一着を持ち寄り、お互いの宝物を交換するという素晴らしいイヴェント「Swap Meat」がパタゴニア鎌倉店で催されています。2回目の先週末にぼくは初参加。長年ひとつの服とともにいろいろな場所で過ごした思い出と一緒に愛着のウエアを受け継ぎました。そのウエアたちは眩く輝き、会場の空気も神聖で清らか。服がまとう気や情に触れ、胸が熱くなります。物をめぐる行為でこれほど清らかな気分になれたのは久しぶりでした。



シンチラ素材は温かいから、首回りもネックウォーマーを巻きます。左は20年以上前の製品。右は新製品。素材の仕様や性能、サイズはアップデートしても、新旧とも心身に深いやすらぎを与えてくれる。だから古いからといってなかなか手放す気にはならないけれど、次の機会には着こんだものをたくさん持っていくつもりです。新たな使い手のもとで、さらに10年、20年と愛用されていくことを願って。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH.