スイスの用と美

工具はスイス製品に限る。以前、プラスネジの頭を国産工具では何度試みてもなめてしまった体験から、そう刷り込まれています。おおむね不器用な西洋人のスキルを補い、確実に目的を達する必要から生まれた道具。たとえばスイスPB社のドライバーを使うと、きつく締まったネジを不器用な自分でも緩めることができます。

レンズのゴミや埃を飛ばすブロアーは、ベルジョン社のNo.5733を愛用。パッケージを彩るのは企業のイメージカラーであるイエロー。ブロア―本体の淡いオレンジも色合いがいい。精度の高い道具であることに加え、品位ある微妙な色味を選ぶセンスに魅了されます。

ROLEXのバンドを付け外す必要が生じたときは、No.6767Sを選びました。いかにもよい仕事をしそうな精緻なフォルム。色とかかたちを美しく、洗練させて見せることを当たり前のように捉えるヨーロッパのメーカー。製品を通しナンバーで管理するシステムも合理的なうえ、たまらなく格好いい。工具は頻繁に使う日用品ではないけれど、どうせ持つなら美しい物を選び抜きたいものです。

追記：Y・Mさんの「男の一流品」っぽい?　どうか、虫の好かない野郎だなんて思われませんように。これらの製品、購入当時は日本での入手がたやすくありませんでしたが、いまは日本のamazonで簡単に。すさまじいスピード感で高まる国内外のamazonの利便性には、このところ心底驚かされています。

LEICA M-E ,  MACRO-ELMAR90mm