2015年12月5日土曜日

張さんのオウム



台北の商業中心地と一般にはいわれる「頂好」エリア。帰国後、レストランや食堂をメインに、おいしい実力店を仔細に調べていくと、実はこのエリアに火鍋店をはじめ、台湾料理の名店、創作料理店、クラフトビール専門店など、多くのいい店が密集していることを知る。交差点に立つ日系デパートをはじめ、かつての繁栄は陰りがちという情報も耳にしていたため、取材中はノーマークなエリア。噂を信じたことに地団駄を踏み、再訪時はこのエリア近くに拠点を置こうと心に決めました。かろうじて、頂好エリアのなかで2つの素晴らしい店の扉を開けたのは幸いでした。ひとつはフルーツパーラーの「百果園」。もうひとつは良心的な価格で上質な茶葉を売る「和昌茶荘」。2店とも日本人の利用も多く、店主は日本語を話せる。とくに、ハイテンションでおしゃべりな和昌茶荘の張さんと茶をふるまわれながら過ごした時間はじつに心温まるものでした。この店にはいると目に飛びこむのが、原色の茶缶と同じく色鮮やかな色をまとったオウム。先代から育てて御年39歳。張さんが11歳のときからともに過ごしてきたオウム。100歳まで生きるよ、とさらりと言いきる張さん。噂には聞いていましたが、さすが恐竜のDNAをもつ鳥類。そこまで長寿だったのかと、じっさいの生きた姿を前にすると驚きをあらたにします。ちなみに、この界隈には運動不足から心臓に病を患う人が多く、早死の傾向が強いとか。たぶん、そうだろうという仮定に対して揺るぎのない自信で確信して話す張さんに、台北人の特徴をみた気がしました(これもぼくの思いこみ)。

LEICA M-E , SUMMILUX50mmASPH.