2016年1月7日木曜日

英米のセンスを学ぶ


北米と英国。英語圏を代表する両国における文字や造形デザイン、色使いの洒脱なセンスに憧れます。雲上のものと気が遠くなる才覚に、少しでも親しみを覚え、近づいていきたいと願い、年末年始は2冊の洋書を眺めていました。



『 Corita Kent and the Language of pop Harvard Art Museums
 The Kindred of the Kibbo Kift (DONLON BOOKS)

いずれも編集者、岡本仁さんに教えていただいた2冊。奥渋谷でのトークイヴェントにて岡本さんが気になる本として挙げられていた本でした。雑誌『relax』復刊号の取材先、北米西海岸(L.A.だったかな?)で「読むべし」と勧められたのだそうです。前者はamazon usaが30%offセールで扱い、後者は版元のロンドン、DONLON BOOKSが直売。折しもオーダーのタイミングがギフトシーズン真っ盛りということもあるのか、きっちり年内までに受け取ることができたのには、かなり感激しました。amazonの利便性がどんどん進み、海外の小さな出版社もオンライン販売のサイトを設け、送料も割安、配達はスピーディに。日本での希少本も手軽に入手できるようになって、世界はますます狭くなっているなぁと感慨にふけります。




コリータ・ケント(Sister Mary Corita)の親しみやすさと洗練を合わせ持つグラフィックを数多く収録。つい先日までハーバード・アート・ミュージアムで催されていた展覧会の目録のよう。彼女だけでなく同世代アーティストの作品も紹介されています。上はぼくが生まれた年にCorita Kentが制作したbread and toastコリータは1986年にミュージアムのあるボストンで生涯を終えています。



おなじみのAndy Warhol作品。


これはEdward Ruschaのドローイング。



初版1,200部のみ刷ったという本は装丁も凝っています。本の断裁面(天・地・小口)のグリーンが宝石のように美しい。第一次世界大戦後の1920年に創立されたキャンプやハイキングを通じて啓蒙をはかったKibbo Kiftという集まり。軍隊的な規律に縛られるボーイスカウトに反抗して興った、自由で創造性あふれる活動だったようです。







100年近く前のクリエイションがきちんと保存、伝承される凄さ。自然のモチーフの色合いとかたちに見入りながら、英国文化の深さに感嘆します。紙の手触りも心地よく、生涯たいせつにしたい本にまた逢うことができました。岡本さん、ありがとうございます!

LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm  ,  SIGMA DP3MERRILL