うねるような曲線を描きながら続く小道。雑然と気ままに並ぶ家並み、近くに川が流れる水の気配。西新宿の路地奥には穏やかな空気が流れていて、とても心やすまります。
偶然、出合った淀橋庚申堂。旧き街の痕跡を残す場所がたいせつに祭られている。住民の心を感じるこのような地域に惹かれます。東京で暮らすとしたら、こんな街がいいな。
庚申堂の立つ路地には、インド料理の名店「コチンニヴァース」がある。南インド出身のシェフ、ラメッシュさんがつくるカレーは、とびきりおいしいだけじゃなくて身体にとてもやさしい。ほんわりと心地いい感覚が食後も余韻となってしばらく続く。バターや生クリームなど動物性油脂を用いていないのが、やさしさの秘密なのかもしれない。
ランチでいただく、粉雪のようなインド米とキーマカレーのファンだけど、まるで別のメニュー構成となるという夜にも訪れ、いろいろ食べてみたい。生真面目で誠実なシェフの人柄、気取らぬけれどどこか凛とした店の雰囲気ともども、目下のところ東京のベスト・インディアン・レストラン。この一軒があるから、新宿がますます好きになりました。
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