2016年7月12日火曜日

よみがえる古着



スロージョギング効果でだいぶ削がれつつある体型。20数年前、痩身だったころの服に袖や脚を通せるようになったのが嬉しい。このシャツは那覇、浮島通りにあった服屋で入手した縮緬の着物生地でできている。絹の特性を知らぬ自分が誤った洗濯により、M→XSサイズに縮めてしまい、痛恨の想いとともに長らくタンスの肥やしになっていた。まさか、スリムフィットと化したこのシャツをまとえる日がこようとは想像もしていませんでした。

着物アロハの店は大正から昭和初期の着物生地を店内のアトリエスペースで仕立てて、少しずつ並べて売っていた。生地の選択とディスプレイの洒脱さも素敵でしたが、なにより飄々と店頭に立つおじさんが魅力的でした。もとは東京原宿で同じような店をやっていたというおじさんは、じつに力の抜けた商いをされていて、一見の客であるぼくによく冷えたミラーライトビールをふるまってくれた。爽快・軽妙なビールのおいしさで、ぼくはいっきに酔いがまわってしまい、南国の太陽のもと、ふわふわと夢をさまようような心地に。

おじさんには商品を売る気が薄く、ビールをぐびぐび呑みながら「那覇に住んでいるとさ、渡嘉敷島とか座間味島とかのきれいなビーチに船で気軽に行けちゃうのがいいんだ」など、日帰りで水着を着たまま都会の街から美しい島々へぶらりと行き来できる、ライフスタイルを語り、ぼくは心から羨望の気持ちが湧き上がってきたのでした。今でも自分のなかで那覇がいつかは暮らしたい街の最上位にランキングされているのは、このおじさんのせいだ。




着物アロハとはちとミスマッチですが、これから日増しに厳しくなるであろう暑さ乗り切るために先日求めたのは、パタゴニア定番のウェーブフェラー・バケツ・ハット。1990年代製品に採用された柄が復活している春夏ラインナップのうち、星にまつわる文様らしき「scorpo」というパターンに惹かれました。往年の魅力を想起させ、パタゴニア・ファンとしては嬉しいかぎり。内側のポケットに畳み入れると、かなり小さくなります(比較はiPhone6)。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm/f1.4 ASPH.