2016年7月18日月曜日

ようこそ、こけし


神奈川県立近代美術館 鎌倉館からイサムノグチのこけしが葉山館へと移設。昨夕は、地元中学生の吹奏楽部の演奏とともに、こけしのウエルカムパーティが催されました。開放的な空間。石の建物に囲まれた鎌倉の中庭もしっとりとした佇まいで良かったのですが、海と山を望む、この葉山の中庭でこんもりとした芝の上に据えられた2体の像は、晴れ晴れと明るく、より伸びやかな表情になったように感じました。鎌倉での姿を見慣れていた人はまるで別の彫刻作品を観る印象を受けるのではないでしょうか。1951年に女優、山口淑子さんとの結婚を記念してイサムノグチが制作した男女のこけし像。男(ノグチ)の像は左手を心臓に当て、右手は女性(山口)の肩に伸びている。深い愛情を彫りこんだ作品だったとは、パーティでの水沢館長の説明で初めて知りました。鎌倉館の閉館が実感としてなかった時期に葉山館が建てられた。完成直前に、前館長がこの中庭に芝生の山を設けるよう指示。まるで、こけしを迎えるこの日を予感していたかのようだ、という裏話も感銘を受けました。



cochaeの軸原さんがデザインしたフライヤーをいただけたのも嬉しかった。こけしが立体的になる造り。像が据えられる芝生と背景の海、高い空も巧みに表している。ずっと大切に取っておきたくなる装丁がさすが。裏側にはcochaeカラーとも言えるヴィヴィッドなイエローで彩色。自分のスタイルをどんな仕事でも伝える姿勢を尊敬します。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm/f1.4 ASPH.
SIGMA DP3 MERRILL