2016年9月16日金曜日

南房総 パラダイスな遠足/永遠の楽園


20代のなかばまで片岡義男に感化されたオートバイのソロツーリング、あるいはスキューバダイビングを楽しみに、毎週末東京から通っていた南房総、館山。真冬でも正午あたりの気温は明らかに東京より高く、陽のあたる場所ではTシャツで過ごせた。その温暖な気候と、常緑の生垣や街路樹の風景に南の風土を感じて、強く惹かれました。



夏が終わると、たちまち閑散となる状況や、どこまでものどかな雰囲気もまた好きでした。また、館山をはじめ太平洋に面した海岸線の町で出会う地域住民は、知性が高く、おだやかな人柄もふくめてじつに魅力的な人たちばかり。のんびり、開放的、文化的、そんな特徴に憧れ、いつかはこの土地に暮らしてみたいと想い募らせています。




ぼくが頻繁に足を運んでいたときから25年もの年月が流れましたが、当時目にしたものが、道端に、町なかに今も残っていて、郷愁感で胸がきゅんとなりました。たぶん、これからもずっと、館山は美しい記憶とともに、理想の楽園としてぼくの心をとらえていくのでしょう。



秋雨の直前、さいわいにも終日、天候にめぐまれた一日。おじさん4人、センチメンタルな想いを抱き、海を見つめます。佳い旅でした。




金谷港からフェリーで30分。対岸の久里浜で友だち、土方シェフのインド料理店「ナーガ・ラジャ」で余韻に浸ります。夢のような時間、まだ終わらせたくないから。



ターメリックライスの炊き加減が絶妙。お気に入りのピリ辛なカレー2種とともにおいしくいただきました。旅のしめくくりもパーフェクト。こんなほがらかな気持ちでくつろげた休日は久しぶり。たくさん笑って、いっぱい感心。小さくも濃密な南房総の旅。連れていってくれた友だちに深謝です。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm / f1.4 ASPH.