2016年11月21日月曜日

仕事の道具としての文具



ぼくが知る限り、片岡義男さん4冊目の文具エッセイ。高揚感をともない、ときには想像力を引きだす。美しく機能的な筆記用具への深い洞察に感嘆する一冊。ブルーブラック文字の色合い、紙の柔らかな手触り、余白を活かした寄藤文平・鈴木千佳子さん流の静謐な装幀。そして、なにより独自の文体と表現が醸し出す、瀟洒な景色に酔いしれる。読了して、いつものとおり、早速影響を受ける。片岡さんが賞賛する、三菱鉛筆製油性ボールポイントペン「ジェットストリーム」用替え芯を購入。太さ、長さ、造形がまちまちな替え芯事情にあって、汎用性が極めて高い4C規格の「SXR-200-07」。世界最高峰の滑らかな書き味が魅力の、この芯は日々使うペリカンやラミーサファリの2色ペン(いずれも廃番モデル)に装填可能。洗練された機能美のボディはそのままに、MADE IN JAPANの精密にして完璧な書き心地を手に入れることができます。これらのペンは使う頻度の高い日用品だけに、活用マニアの自分としては気持ちが充たされました。嬉しいなぁ。

LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm / f4