2017年1月12日木曜日

山裾の別荘


皇族、華族、政財界人、文化人、資産家の別荘が昭和9年(1934年)には487棟にも及んだ葉山。一色界隈にはひっそりとした場所に建つ別荘も。華やかな海辺ではない。あえて奥地を選ぶかつての富裕層の嗜好、品性、美意識に敬服します。なかでも、昭和2年(1927年)に三井物産重役の加地利夫が創建した別荘は造形感覚と芸術性が際立つ文化遺産でしょう。佐島石の塀がうねる「こみち」から三ヶ岡山へと入る山裾に立地。施主の粋でリッチ、奥ゆかしいセンスに唸ります。遠藤 新が設計した師匠F.R.ライトばりの石づかいの館。内外とも往時のモダンな佇まいが、たいせつに保存されています。

*住宅遺産トラスト・加地邸HP http://hhtrust.jp/hh/kaji.html
あくまでプライベートなスペース。常時公開の邸宅ではありません。
今回は公開期間中、許可を得て、撮影させていただきました。

HASSELBLAD500C/M , ZEISS PLANAR C 80mm f2.8
KODAK PORTRA160