2017年2月25日土曜日

カゴで通勤



沢グルミ皮を編み組みしたカゴを携え、葉山の家と築地の仕事場を行き来するようになって、早一カ月。ボッテガ・ヴェネタのブリーフケースのデザインを、ワイルドにしたような風情。自身の持ち物に合わせて寸法を指定したカスタムメイド。野に分け入り素材を集め、工房で乾燥させ、木型をつくるところから逆算すれば、制作には一年以上要している。それほど手間がかかり、なおかつ野趣に富むこのバッグが、ヨーロッパのブランド品に比して5分の1の価格で手に入る。世界で唯一のものだけど、壊れたら修繕可能だし、製法を受け継ぐつくり手はぼくよりずっと若い。生涯愛用できるマイ日用品。特別な手仕事品だから、移動中に視線を感じることはある。他人の眼をあまり意識せず、ふだん使いできるかが心配でした。毎日使い、その意識は薄まりつつあり、むしろ、このカゴが都会に向かうテンションを高めてくれる。そうまで思い込めるようになりました。カゴ男子デビューを順調に果たせているようです。

LEICA FLEX SL , SUMMICRON-R35mm(2ROM)/ f2
+KENKO MC CLOSE-UP No.3 ,
FUJIFILM SUPERIA Venus 800