2017年5月3日水曜日

渋谷マンハッタン説


映画をiTunesで購入・鑑賞し、胸を高まらせて向かった渋谷Bunkamura。初見の感銘を大事にしたいから、評判の写真集もあえて見ずに、会場に立ちました。これほどじっくりと、ひとつひとつの写真を見つめたのは久しぶり。陰影と写りこみ、色彩。懐古的色調のカラーフィルム写真の抒情的表現に瞠目。心の奥深くに、ボナールや浮世絵を崇敬し、画家を目指していたソール・ライターさん独自の美意識が染み入ってきました。


その視点に感化されて、会場を出て、道玄坂上の打ち合わせ場所に向かう路上でスナップ。


神山町のラブホテル街を抜ける。


猥雑なものが道端に溢れている。ソール・ライターさんが暮らし、撮影の活動拠点としたかつてのマンハッタンLOWER EASTエリアに通じる怪しさに今、出合うことができる希少な都市空間なのかもしれない。


ストリップ劇場そばのマンションのなかへ。


小さなクラブを横目に、お気に入りの定食屋「とりかつ」で昼ごはん。


ランチタイムを過ぎても、G.W.の狭間でも満席。妙齢な女性の活気に元気をもらう。


ずっと好きになれないでいた渋谷だけど、無秩序な景観の連なり、坂の多さ、入り組む路地。それらの混沌に、妙に安らぎを感じ始めている自分がいます。ライカのちょっと古い広角レンズはこの街の光と影を記録するのに、活き活きとした描写を見せてくれました。

LEICA M-E , ELMARIT 28mm 4th GENERATION  f/2.8