2017年6月28日水曜日

北斎のち人形焼


週明けの夕暮れ、墨田区亀沢の弘前藩津軽大名屋敷跡に立つ「すみだ北斎美術館」へ。
企画展示北斎×富士 ~冨嶽三十六景 富嶽百景 揃いぶみ~」の内覧会に出席・取材。北斎がさまざまな場所とテーマで描いた146枚の富士の絵。構成、展示手法とも秀逸で、北斎の意図を想像し、画業を俯瞰できる素晴らしい内容でした。


美術館のある亀沢から錦糸町にかけては、江戸時代の町割が残り、帰路も擬似江戸散歩で心を遊ばせることができる。このあたりは深川七不思議の舞台。大名屋敷の太鼓、錦糸町駅そばにあった「置いてけ堀」の怪談にふと興味が湧き、図書館で文献を漁る。そうして、ふたつの不思議話に登場する太鼓と狸をかたどった人形焼に行き着く。ぼくの思考の終着点には、たいてい好物のスイーツが控えているのです(怪)。資料をあたっているうちに錦糸町駅前に本店を構え、駅ビル「テルミナ」にも出店する山田家の存在を知る。和菓子屋なのに夜まで営業の商いをまず称賛したい。そして、あんこたっぷり、型も素朴で愛らしい菓子は気取らず旨い。なにより両店舗ともSUICAで支払いできるのがありがたい。東京では贔屓の一軒となりそうな予感。人形焼の狸は1個108円、太鼓1個86円。nice!




帰宅後、三脚を立て、宮内窯の洋皿に狸と太鼓を並べ、撮影。すぐさま試食・完食。官能的なあんこの旨さに酔いしれていると、夕食の支度に忙しい妻が横目で画像を見て、ずばり。「太鼓の向きが変じゃない?」。あー間違えた! 縦向きにしなくちゃと後悔するも、遅し。しかも、太鼓については斜め上から立体的にとらえないと、何をかたどっているのかよくわからない。自分の至らなさを反省し、次の奇怪、機会をうかがう。

LEICA  M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4
MACRO ELMAR90mm f/4