2017年8月20日日曜日

誠実で端正な硝子


尾山台の「手しごと」で秋田「星耕硝子」伊藤嘉輝さんの吹き硝子展が始まっています。


お店のスタッフ山藤さんが伊藤さんにオーダーした特注品のひとつ、蓋つきの保存瓶をBLOGで目にしてたまらず初日に訪ねたくなりました。ピタッと(少し空気が入る余地がある)閉まる蓋、平穏無事なかたち。使うことを熟慮した硝子製品。伊藤さんの誠実で端正な仕事が現れています。吹き硝子でこの精度を実現するのに大変な苦労と根気と情熱と高い技術を要したでしょうが、伊藤さんは「今までやったことのない新しいものを作れる機会」と前向きにとらえ、楽しみながら山藤さんの要望に応えている。その人柄、仕事への姿勢に魅せられます。お二人に会えて良かった! 今回の展示で僕が惹かれたのは、特注保存瓶のうちプレーンで透明な写真右端と、盛岡「光原社」にあった倉敷硝子・小谷真三さんのアトリエで分けてもらったという青と赤の硝子を素材に用いた2つの瓶でした。


すべて一人で制作している伊藤さん。一人では不可能なピッチャーのハンドル付けも、諦めず繰り返し作業を続けることでできるようになったそうです。


この日は伊藤さんの制作にまつわるお話をじっくり聴けました。内容を再確認し、印象に残った言葉と感想を、お話の会を主催した手仕事フォーラム(許可がいただけたら)の公式BLOGなどで後ほどご紹介できればと考えています。


色のこと、素材のこと、製法のこと、仕事への心構えのこと。まずは1時間半近くに及ぶお話のテキスト起こしから始めなくちゃ! 例えば、この緑色。緑の再生硝子を用いず、茶色の硝子からこの色が生まれるなんてまるで火の魔法。「へぇー、へぇー」を連発して夢中に聞き入っていました。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4