2017年9月17日日曜日

白昼の水都散歩


相生橋たもとでのランチを終え、中央大橋を渡って中央区新川、湊、入船の町を歩く。江戸時代に巡らされた運河。その水のウエットな気配が界隈には漂っている。


地域の会社は昼休み中。広い道を歩く会社員たちとすれ違い、酒混じりの男は陶然と路地に分け入っていく。湊町には石材で外壁を覆った震災後の建物が残る。脇のパーキングに大木が伐られずに広い影を落とす。


街路樹と軒先の植生。混在・共生する、したたかな生命力。


亀島川の水門。管理施設には極楽鳥花が植えられている。公の仕事には個人の嗜好が入りこむ余地がある。


江戸時代の亀島川は芦が群茂していた。いったんは土中に潜伏した葦が息を吹き返している。植物のたくましさ、人の営みのはかなさを想う。200年前の景色が蘇りつつある。


モダンな区立中央小学校。外縁に緑化を試みた人の計らいを嘲笑するように、植物が自在に勢力を拡げている。アウト・オブ・コントロールな東京の植生。



隅田川から町をスナップして所要約30分。仕事場近くの新富町では大正・昭和の情趣をかろうじて愛でることができる。そんな家の住人は緑を適度に整え、植栽を愉しんでいる。そんな節度ある暮らしぶりに、僕はとても憧れる。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. f/1.4
                     ELMARIT28mm 4th EDITION f/2.8