自宅の室内はほのかな灯を間接的に用いて照らしている。白人のように眩い光に眼が弱いわけではなく、気取っているわけでもない。暗がりと、陰影がやわらかな光に心が安らぐからだ。そんな安らぎの光を外に求めても限りなく選択肢が狭まる。
逗子「BEACH MUFFIN」は自分には完璧と感じる照明で空間に情緒をもたらす一軒だ。建物の風情と静かな灯りが見事に調和している。
土間で靴を履いてくつろぐのは、自宅と同じだが、劇的さに差がある。キャンドルを用いて、室内全体の照度をここまで下げれば、その差は縮まるのかもしれない。
心鎮まりながら、ヨロッコビールを呑む。
この光を愛でに、また呑みに行きたい。
SIGMA DP3 MERRILL 75mm