画家の美意識をもつ職業写真家・萬田康文さんの個展を観てきた。会場は馬喰町art+eat。子どもの頃、心地よいと感じた光、淡いコントラストを6×7サイズの中判ネガフィルムで表した。萬田さんの心の内を覗きこむ視覚体験で、凝視すると繊細な陰翳にひそむものがじんわりと浮かぶ。ずっと眺めたくなるイメージに快感と刺激を感受した。正方形ではなく、6×7の縦横比がしっくりくるという実感には深く頷けて、このフォーマットへの興味がにわかに湧き上がってしまった。萬田さんは持ちもののセンスが佳いと密かに観察しているのだが、いつもユニフォームのように着ているVネックのTシャツはイトーヨーカドー製品で、安いのに品質が高いのだという。美の恩師、故・久野恵一さんも藤沢のイトーヨーカドーで無地のシャツやパンツを買っていたなぁと思い出した。真似して、今度買いに行こう。
SIGMA DP3 MERRILL