虎屋の和菓子はどうして美しく洗練を極めているのか、深掘りする取材を望み、リサーチを始めた。マニアックな機関誌『和菓子23号』を取り寄せ、元禄期の菓子見本資料を眺めて、どう先方にアプローチするか思案した。
この号には、伝説の童画作家、武井武雄さんの水彩スケッチ画集『日本郷土菓子図譜』への論考文も掲載。グラフィックな和菓子イラストのレイアウトに心奪われ、見入っているうちに、昨日まで催された「葉山一色海岸アート展」での「THE FIVE☆BEANS」の森嵜 周(めぐる)さんの作品展示を連想した。
集めてきた石を抽象絵画作品のまわりに並べている。石の選択も配置もさすがのセンスと感心し、彼女が葉山一色、森山神社境内で土曜に催されている朝市などの出店時にときどき販売する和菓子をふと食べたくなった。昨日、葉山堀内での葉山芸術祭プレイベント会場に持って行きますよと聞いて、家の裏山を歩いて買いに行った。
愛らしい赤と黄色をちりばめた練り切り。すぐに食べてしまうのがもったいなくて、浜松張子のポップな虎を並べてスナップ。虎屋に飾られる三春張子の猛々しい印象とは異なる、柔和な風貌。周さんの和菓子に通じるイメージではないだろうか。
LEICA M-E , MACRO ELMAR 90mm