2019年2月15日金曜日

AMULET



旅する骨董商kihachiさんが選び集めた、古くて美しいチベットの工藝品を紹介する冊子の第2号の制作に着手した。取り上げるのは13アイテム。数字が西洋の考えに囚われると不吉に思えたが、チベットでは吉祥のラッキーナンバーと知り、これで進めることにした。



13番目に掲載するのは、僕が日々、肌身離さず携行しているクリスタルの御守り。譲ってくれたkihachiさんによれば、チベットの聖地に五体投地で巡礼の旅をしていた人が身に付けていたものではないかという。クリスタルはヒマラヤの産出が一般的だが、至上の聖地カイラス山で採れた可能性もあるとか。
石のかたちも佳いが、ネックストラップ付きケースの風合いも気に入っている。旅の過程で数えきれないくらい飲んだであろうバター茶の脂分と匂いが染みこんでいて、壮大な旅を感じ取ることができる。
さて、上の写真はそれぞれ別のデジタルカメラで撮影した。最初のはライカで2つ目はシグマ。肉眼に近い平穏無事な描写と、高精細かつコントラストと彩度の高い写り。どちらが好みかは人それぞれだろう。僕は断然ライカ派だが、クリスタルの存在感が際立つ後者を採用するつもりだ。自身の嗜好はできるだけ排して、純粋に物の佳さを伝えられたらと願っている。

LEICA M-E , MACRO ELMAR 90mm
SIGMA DP3 MERRILL