FILM
意を決して現像済みネガ、ポジフィルムを廃棄した。90年代後半から13年間、世界中の海辺と水中を旅した何万点もの記録写真。手伝う妻に「ゴミを創ってきたようなもんだね」と嘆かれた。フィルムの山を前に、せいぜいblogやSNSで写真を公開する自分の日常では今後、フィルムの多用はまずないだろうと思った。デジタルカメラで撮り、flickrにアップロードして元画像を削除。flickrが運営停止になったらすべてのデータと決別。そんな刹那的扱いが自分には向いているようだ。ただ、大きく引き伸ばして展示する機会や、人生にはずっと残しておきたいシーンも稀にあるから、その場合はハッセルブラッドのフィルムカメラを活かそうと思考が整理された。散財を尽くしてきたが、フィルムならではの感動もたくさん得られた。ファインダーを覗くときの緊張感、仕上がりへの期待と落胆。貴重な体験ができた幸運と時代に頭を下げ、晴れ晴れとした気分になった。
LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm f4