2019年6月3日月曜日

FERN



1週間前、分け入った近所のトレイル。そのうちシダが鬱蒼と繁る森戸川源流ルートは道を見失って後戻り。それが悔しくて再トライ。途中すれ違ったベテランハイカーらしき年輩者から踏破のコツを教わる。



水域に近づくとシダが地面を覆い隠し、苔むした倒木が行く手を阻む。ものすごい湿度で汗が吹き出る。原始の森に迷いこんだよう。以前取材した横浜在住のシダ研究家によると、このあたりにはまだ発見されていない新種のシダが潜んでいるのだという。



今回も道が忽然と消えたよう目に映るが、iPhoneが表示する高精度なYAMAPのGPSナビを頼りにしつつ、地形のかすかな変化を探して、一歩一歩慎重に進む。戻る道はもうわからない。転んでiPhoneを紛失したら遭難のリスクが高い。恐る恐る沢に進入した。



最後はかろうじてという感じ。薮をかきわけて力づくでゴール。達成感に浸る間もなく、水辺につながる林道から再び山を登り、暮らす町に戻る。



4.3km、高低差123m、2時間半の散歩。家の近所でたっぷりと非日常感を体感した。町に降りる間際、落ち葉の絨毯を踏んでリラックスしつつ、先ほどの痺れる緊張感を懐かしみ、もう欲している。あのハイな状況を求めて、ひとりで何度もリピートしそうだ。

LUMIX GF1 , LUMIX G 20mm ASPH. f1.7