2019年8月22日木曜日

Wien



木挽町「森岡書店」森岡督行さんのINSTAGRAMでのつぶやきから、その日の夜に『ウィーンこだわりブック』(塚本太朗さん著、産業編集センター刊)の出版を記念したトークイヴェントが急遽催されることを知り、参加。



塚本さんはグラフィックや店舗のデザイン、ドイツを主とした雑貨の仕入れ・販売、カフェ経営など多方面で活躍される方。90年代後半から、ずっと秀でたセンスに憧れ、活動を注視。20数年越しに、ご本人のお話を直接伺えました(笑)。



8月25日まで森岡書店にディスプレイ、販売されるオーストリア雑貨。この機会に合わせてウィーンの蚤の市、ヴィンテージショップ、デザインプロダクトショップなどで買い付けし、本に掲載されているものもちらほら。愛らしく、品の佳い日用品や雑貨。日本ではまず見かけないものを選んだそう。



ソラマメつかみのキッチンツールもそのひとつ。日本では高価な琺瑯製品のメーカー、リース社には工場見学やインタビューもおこない、なぜ高価になるのか、環境に優しい製法を含め、手間のかかる製造工程について深掘りされています(本書にも記載)。



世界一住みたい街になったというウィーン。街なかにはザッハトルテやクラシックな一杯を出すような古典カフェのほか、スペシャルティ・コーヒーショップも急増中とか。物価は高めですが、ワインなど嗜好品は気軽に愉しめて、暮らすように滞在したくなります。



仕事柄、古地図に眼がいきます。これは半世紀ほど前の非売品。表記や色遣いなど細部を見入りました。ウィーンは団体旅行でも人気の旅先ですが、年輩者が散策し、目指す店とは異なる空間が塚本さんの心眼で選び抜かれていて、個人的に旅するときは、この一冊を頼りに行動を組み立てることになりそうです。親密な雰囲気のなか、本の魅力をいっそうと引き出し、そして何より著者に引き合わせてくれた森岡さんに深謝。

SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8