お昼はほぼ自家製弁当を仕事場に持参。節約したぶん食後は毎日、盆源珈琲の上質な一杯で憩う。
まだまだ暑いけれど、陽射しは明らかに柔らかくなって、熱いコーヒーの季節に移行してきた。
バカラのマイグラスを携えてエスプレッソのダブルで満たしてもらう。マルゾッコのマシーンではダブルで抽出する店が多いなか、ここはシングルで行う。
おいしさが大きく違うそうだが、シングル抽出はテクニックが要るのだという。そんな技術をひけらかさず、マシーンも白色を選び、店頭で目立たぬ位置に置く控えめで、茶人のような美意識に惹かれている。
200ccの儚い快楽。短くも深い愉しみ。
ドリップを頼むときは、ナチュラルなウガンダの豆ベースのブレンドが目下のお気に入り。酸味、香り、コク、いずれもが際立つことがなく平穏な味わい。それがすごく佳い。
飛田さん、白石さんの仕事を間近で眺める。所作と水が細く流れ落ちる音になごむ。
落とした琥珀色の美しいものをオリジナルの『ウォールマグ』に移してもらう。通常より豆の量、ドリップ量ともかなりお得。僕の抹茶色は完売。ホワイトもあと僅かだそう。
ふぅ、極楽。自宅の土間に似た空間に安らぐ。僕の築地での日常は盆源珈琲なしには成り立たない。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH. / f1.4