三浦市の古道具店「讃々舎」高梨武晃さんに鳥取、牛ノ戸焼のちょっと古い皿を譲ってもらいました。鉄釉の黒と銅の青磁色が半分ずつ「掛け分け」られ、柳宗悦を魅了した皿。
右は工業デザイナー柳宗理(むねみち)さんが鳥取、中井窯に造らせたもの。
当初は黒と緑が中央でくっきり分かれるように指示したそうです。そのきっちり具合が モダンなビジュアルにつながるからでしょう。
古い牛ノ戸焼は2つの色がハミ出して溶けあっている。その揺らぎが風情ある景色なのですが、均一の大量生産品を手がける工業デザイナーとしては、表情が自由に異なる曖昧さが許せなかったのかもしれません。しかし、そんな宗理さんも晩年には厳格に区分するルールを緩めたそう。結局、最後には父、柳宗悦ただひとりの審美眼「民藝」に近づいていった・・・。「民藝」の凄さを物語る2つの皿の違いを日々、眺め、感じたくて居間に飾ることにしました。
SIGMA DP3 MERRILL 75mm / f2.8