鳥取の健やかな工藝、牛ノ戸焼と中井窯の新旧染め分け皿を見比べるように居間に飾りつつ、ときどきとっておきの和菓子を置いて楽しんでいます。緑と黒または乳白の境に馴染むものを心眼で愛でたいと、葉山一色のwagashi meguruさんに制作を打診すると快く応じてくださり歓喜感激。上はまず惹かれた『ENZO Mari』。meguruさんが茶稽古で入手した抹茶を球体に。それを乳白の四角い寒天が包んでいます。エンツォ・マーリのオブジェを想起させる形。シンプルかつモダンな佇まいに魅せられ、ずっと着手できないでいた制作に取り掛かろうと背中を押されました。
白餡と抹茶の羊羹。仔細に打ち合わせしていなかったのに、緩やかな境界線が見事に調和していて響き合う景色に感じ入りました。
柳宗理ディレクション、中井窯の新しめの染め分けには黒糖と抹茶の羊羹を。2色が混じり合う曖昧な様子が美しいのです。コクのある甘さと品の佳さが口のなかで溶け入っていきました。
牛ノ戸の少し古い皿には抹茶羊羹と黒糖寒天を三角形にしたものを。強い西陽に煌めく光の粒子、異素材を透過する光がなんともドラマティック。meguruさんの創作を眼と舌で堪能し、同時に深くリスペクト。『ENZO Mari』は改めて舞台を設けて再撮したいと気持ち昂ぶっています。
LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm / f4