元旦の朝、葉山一色海岸の波打ち際を散歩して眼に留まった大きな佐島石。今は採掘できない、この加工石を集め、活用する者としては新春の贈り物との縁に意味を感じて心が踊った。とはいえ、100kg越えと思われる重さ。腰を痛めないか恐れて家までの運搬をためらう。いったん帰ってお節料理と樽酒に心酔し、ほろ酔いの勢いでビーチに戻った。
満月の引き潮で砂中から露呈した佐島石。地域の地主によれば、かつて海辺にあったと伝わる神社の建材ではないかという。霊感強い先輩に祟りがないか確認したうえで、見つけては持ち帰り、自宅の小さな前庭で敷石に転用してきた。長年潮水が染み込んだ砂岩はもろく、簡単に割れてしまうが、その控えめに土に馴染む柔らかな風合い、波で摩耗した丸みが好み。ふうふうと息をきらして砂上を懸命に転がしていたら、このところ近況が気になっていた葉山下山口の燻製香房「スモークハウス葉山」の原さんに声を掛けられてびっくり。何年ぶりの再会だろうか。神がかり的出会い。その導きに従い、峯山散歩のついでに、近々に訪ねよう。
基礎や外塀に使われる佐島石を横目に、台車で運ぶ。ここまでくれば、あとひと息。
前庭で真冬も繁茂する黄斑月桃が通路に拡張してこないよう、その境界に佐島石を埋めて根の勢いを抑えた。ずっと懸案だったことのひとつを元旦に叶えて達成感に浸った。
LEICA M-E , MACRO ELMAR 90mm / f4