湘南国際村から横須賀市秋谷、葉山下山口へと連なるトレイルを進む、週末スロージョギング。ここ数週間で植物の成長が加速し、山道の両側から地面を覆う勢いで葉先を伸ばしてきています。
同時に道をまたぐように蜘蛛の巣がいよいよ張られ始め、強靭な糸が行く手を遮ります。茂る草むらの陰にマムシがひそんでいないかとか、顔に突如ヒットする蜘蛛の巣に小心者のぼくはおっかなびっくり。恐々と足を運びながら、このトレイルを走るのはそろそろオフシーズンかなと、代替の新たなコース取りを思案し始めているところ。
コース後半に群茂するシダ類も、ぐんぐん勢力を拡げてきている。この景色は、オアフ島のトレイルで目にするものと同じ。目隠しをされて、ここに連れて来られたら、ハワイの森に迷い込んだようにたぶん錯覚するんじゃないかな。この道を「パシフィック・コースト・トレイル」と名付けた人がいるけれど、太平洋に浮かぶ島どうし、広漠とした海で隔たれていても、自然はつながっていると素直に感受でき、言い得て妙な命名だと思います。
原始の造形を思わせるシダの葉にスポット光が当たり、浮かび上がる陰影には、DNAレベルで心を揺さぶられるものがあります。気持ちが鎮まっていくというか、その闇の奥へと引き込まれていく幻想的な感覚に包まれます。
SIGMA DP3 MERRILL
