2015年5月24日日曜日

FISHERMAN'S HUT

かつて秋谷海岸の漁村に立つ小屋に暮らしたことがあります。まわりは漁師が生活し、部屋のなかには海から砂が運ばれてくる。ほぼ砂浜の上に立地しているといっていい、限りなく海に近い住空間でした。わずか半年ほどの短い期間でしたが、一日中海を眺めて過ごし、波の音に包まれて眠る暮らしは、ひたすら快楽をむさぼるような日々でした。そんな夢のような小屋が葉山森戸海岸の端から葉山マリーナにかけてのエリアに点在していることに気づいたのは、つい最近のこと。このところ、葉山の家から鎌倉まで出かける用事がある場合、海辺を歩いて目指すようになった結果、魅惑の小屋の数々に気づいた次第です。波打ち際まで10m弱の、この簡素な漁師小屋はいかにも働く小屋といった風情で強く惹かれます。建物が使いこまれ、生き生きとしたものに見えるからです。椅子にも作業テーブルの脚にもなりそうなビール瓶ケースがちらりと見えているあたりもたまりません。この味わいに、ユーザーのセンスのよさをうかがわせます。

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