沖縄のやちむん(焼きもの)のなかでも、伝統の骨壺ジーシーガーミは沖縄独特の文化を象徴するもの。沖縄の美しい手仕事の数々を見出し、広めた恩人は、やちむん陶工のひとり、新垣栄用さんの窯を訪ねたさい、たまたま窯に置かれていた昔ながらの型「寺厨子」に目が留まり、特注したそう。そのすっきりとした簡素なかたちと穏やかな飴色に惹かれ、もやい工藝で求めたのでした。はじめは居間でいちばん目につく中心地に据えようと考えました。しかし、場所を空けるまでと、ベッド脇に置いてみると、ものの雰囲気が暗がりに馴染み、深い安らぎを覚えます。適切な場所におさまり、眠りにつく心鎮まる時間に、日々、恩人を偲んでいます。
LEICA M-E SUMMILUX50mm