ぼくのワードローブのなかで特別な存在となっているのが葉山SUNSHINE+CLOUDの製品。すっと日常にとけこむような、ごくふつうのかたち。上質な素材と微妙なデザインの違いを声高に主張するわけではないけれど、日々身につけていると、じわじわとそのよさが体感できます。どうして、こんなに気分がいいのだろう、前向きな気持ちが高ぶってくるのだろう。その心地よさはどこからくるものだろうと、ときどき考えをめぐらせるけれど、いつもその源泉は謎に包まれている。たぶん、ちょっとしたつくり手のセンスが作用しているのだろうし、そのちょっとした違いはなかなか得られない感覚的で、空気みたいなものなのだろうという結論にいたります。先日は、久しぶりに訪ね、すっかりスリムになった腰まわりに合うベルトを求めました。使いこむほどによい色合いに変わっていくイタリアの革、そして手打ちの造形が素朴な純正シルヴァーのバックルにひとめで惹かれました。
オーナーである高須さんが美意識をもって、仕様の希望を伝えたであろう、物の佇まいが洒落ている。これからぼくの毎日に高揚感をもたらしてくれる日用品。都会への仕事に向かう気分も当然、アガります。金属の質感をリアルにとらえるカメラで静物写真を撮り、素材のディテイルを眺めていたら、このベルトのつくり手に会いに行きたくなりました。ぼくの著書「湘南アトリエ散歩」でも取材させてもらった寺元さん。さっそく週末、横須賀のアトリエで会うことを約束。再会が待ち遠しくてたまりません。
SIGAMA DP3 MERILL