秋へと移ろい増したのは食欲だけでなく、写欲も。とくに朝のやわらかく穏やかな光のさまには繰り返し心と眼が感応。ちょっとそのあたりの散歩に出ても、あちらこちらの陰影をいちいち写しとりたいと感情が揺すぶられます。物や食のお店でも同様。撮影許可を伺う機会も増えてきたので、ブログについて尋ねられたら差し出す名刺を用意しようと自作。奈良「吉梅園」の墨と硯、「一心堂」の巻き筆でブログ名、氏名、連絡先を筆書き。墨の芳香になごみ、筆を走らせると心が鎮まり、力が抜けて文字を書けるようになるのが不思議。道からはずれた素人でも、古来の書が内包する神秘に触れられたような気がします。
鎌倉「もやい工藝」の故・久野恵一さんからいただいた倉敷ガラス、小谷真三さんの水滴が美しい。透明な深みをたたえる小谷ブルー。光を受けて、拭き漆に幻想的な青色を映し出す景色にため息が出ます。筆を走らせる名刺はバーザイメープルを素材とするもの。妻が木場の「北三」という会社で入手したというウッディカード。これらいい物の力を借り、自分らしい素朴なカードをつくることができました。そのカードは葉山のコーヒー豆焙煎工房「THE FIVE★BEANS」のめぐるさんに制作してもらったフェルトのカードフォルダーで携行。大好きなオレンジとグリーンの色使い。かわいいでしょ？
LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm
