着替えも持参せず、ミニマムな荷物で旅した台北。アークテリクスの防水素材リュックにクニルプスの折り畳み傘用ドライバッグ(写真は別注品)を忍ばせ、フットワーク軽快に街を闊歩。土産はこのバッグに収まる程度の物にしようと決めていたのに、取材先で欲しいものが次々と眼に入り・・・。
結局は土産収納用のサブバッグを求めることになってしまいました。誘惑に負けた、気弱くダメダメなぼく。台湾のコスメブランド阿原YUANの帆布鞄は容量たっぷり。斜め掛けもできます。台南には帆布鞄の老舗店が3つあり、キャンバス素材の頑丈なバッグは台湾のいわば名産品のひとつ。
繁体字の漢字を効果的に活かした阿原YUANのパッケージに惹かれます。ソープのほか歯磨き粉も欲しくなってしまいました。洗練されたものを好む人ならば、たぶん触手が伸びるはず。ほかにもティーサロン小慢で三谷龍二さんの茶さじや白漆の茶卓、オーガニックな茶葉を購入。下に敷いてあるのは、台北の出版社が営むショップ「漢聲巷」で扱うフレンチコーヒー色の布。テキスタイルデザイナー鄭惠中さんの製品。日本でも服やストールなどの衣服品が売られていますが、シンプルな布は台北でないと手に入らないのではないでしょうか。風呂敷として荷物を包み、くるくるまとめれば、江戸時代の工夫みたいに、ワンショルダーバッグにも様変わりします。
阿原YUANのソープがセットになったもの。帆布のケース付き。商品展開、販売手法の巧みさに、見事にやられちゃいました(笑)。このブランドは台北駅の地下街など誠品生活グループのショッピングモールに出店していて、店舗の雰囲気も上質感が漂います。
三谷さんの茶さじには吹き漆が施してあるから、葉山の多湿な土間でもカビが生じる心配はありません。お茶を煎れる前、台湾の茶葉を載せて、香りを愛でます。
家に帰ってから、茶藝館で教わった正しい作法に従い、最初はきちんと煎れる。急須は小さい方が茶葉のおいしさがより引き出されるのだけれど、そこは固執せず、好きな出西窯の丸紋土瓶になみなみと注ぎます。
お茶請けは、小慢に分けてもらったドライマンゴーと百果園で求めたオーガニックレモンのドライフルーツ。レモンは香りに癖のある、漢方みたいな滋味深さ。噛みしめると、体が軽くなります。
洒落た茶藝館では学んだ煎れ方を、「和昌茶荘」でおさらい。安くてよい台湾茶が揃う店。店主であり、日本語が流暢な張正忠さんに流れを見せていただく。
同い年でお調子者。カメラ目線が素敵な張さん。何でも飲んでくださいと、いろいろな種類のお茶を試飲させてもらいました。アッサム茶を掛け和わせたという烏龍茶「金萱茶」が好みの味。ミルクティーみたいな甘い香り。FAXでもオーダー可能とのことなので、今後、継続的に台湾茶を愉しむことができそう。でも、できれば、台北には頻繁に足を運んで、張さんと楽しくおしゃべりしながら買いたいな。旅の終わりに、魅力的な人に会えてよかった!
LEICA M-E , SUMMILUX50mm ASPH.