2016年1月25日月曜日

SHINZOさんの酒瓶



先週土曜から始まった鎌倉「もやい工藝」での倉敷ガラス 小谷真三さんの会」。一週間前からそわそわしだし、前日、金曜の晩はあまり眠れなくなるほど興奮で胸がふくらみました。小谷真三さんが吹くガラスはその人柄、美意識、造形感覚が作用して唯一無二のかたちとなります。吹きガラスの工人、作家はほかにもいるけれど、やっぱり真三さんのものは自分の眼にはもっとも魅力的に映ります。しいてあげれば、真三さんが着想を得たであろう、メキシコやイラン、英国の古いガラス製品に惹かれるくらい。日々使い、眺め、愛でる、とっておきはやはり真三さんのものに限ると思います。かなりの高齢だけど、感性が少しも衰えていない現役の手と眼でつくられたばかりのものを手にできる。その幸運にただ感謝したくなります。真三さんの吹きガラスはどれもが欲しくなるけれど、今回はずっと憧れ続けてきた酒瓶に焦点を絞っていました。初日の朝、相当に並ぶことを覚悟しながら向かい、その希望がかなったときの嬉しさといったら・・・。年明けからの物をめぐるよき運に依然恵まれているようです。コンビニで買う、いつもの安いウイスキーを瓶に移し替えると、宝石のような色で輝きます。上の写真で真三さんの吹いたぐい呑み内のオリジナルの液体色と比べると一目瞭然。なぜ、真三さんの酒瓶を通すと、こんなにも美しい色になるのでしょう。吹きガラスの特性、あるいは表面に施したモール文様の効果か。真三マジックに見惚れます。この酒瓶が毎日、晩酌するぼくの日常をこれからいっそう彩りのあるものにしてくれる。悦びで胸がいっぱいです。

LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm