イタリア観光の余韻に浸る投稿はそろそろ終いにしよう。
帰国は成田への直行便を利用。倒産間近というアリタリアの最後部席に座った。横はキャビンクルーが休息に使う空間。背後はトスカーナワインや名物のオレンジジュースの飲み放題BAR。過去に経験したことのない快適なエコノミーシート。
映画の翻訳が奇妙だったり、そもそも音声が聴こえぬ不調も些細に思え、フライトを満喫。しかし、平穏な心地で眠りに就こうとしたあと、噂に聞くイタリア人の特異な行動に遭ってしまった。夜中に特設BARで大声で歓談し、笑う。なんとキャビンアテンダントも輪に加わっている。思わず自制心を失い「シャラップ！」と怒声を浴びせてしまった。美の感得者にして、最高に傲慢な国民よ！ 悦楽にただ溺れることはできない。旅は現実とも向き合う日常の延長なのだと知った。その気づきに意味があったと、肯定的に捉えたい。
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