2015年7月29日水曜日

外村ひろさんの椅子敷


鎌倉「もやい工藝」を通じてお願いしていた、外村ひろさんのノッティング椅子敷が出来上がったと連絡があり、受け取りに行きました。「これに入れて店に持ってきたのよ」というプラスティック袋が、ひろさんの素朴さを物語っているよう。飾らないつくり手の人柄も感受したいからと、ていねいに包み直そうとする「もやい工藝」久野麗子さんに、このまま渡してもらうことにしました。よく見ると、ぜんたいのかたち、素材の薄さ、透明感がありそうでない袋。こうしたなにげないものの選びかたから、きちんと美意識が働いているのだなと感心します。

椅子敷の大きさは大小ありますが、家にある小ぶりなスツールに敷くつもりでしたので、そのサイズを想像しながら小さい方を即決。模様のパターンや色の組み合わせは、「もやい工藝」にある見本帳から選ぶことになるのですが、どれも魅力的に思え、これは相当に悩みます。


結果選んだのが、この2パターン。無地のイエローと濃い緑と十字架模様にさわやかなブルーを挿し色に配したもの。どちらも風合い、手触りがよく、思わず頬ずりしたくなる温かみがあります。この無地とヴィヴィッドな青と緑の組み合わせは、ひろさんのつくるものとしては珍しいようです。どんなオーダーにも応えるひろさん。最近は若い人からの注文で、「そんな色の組み合わせでいいのかしら?」と思いつつ、織ってみると、意外にもモダンな雰囲気を出すこともあるそうです。若い感覚も自然と受け止め、確かな手仕事でかたちにする、ひろさんの椅子敷。美しく素直な美が、暮らしにぬくもりをもたらしてくれそうです。

LEICA M-E SUMMILUX50mm