2015年12月9日水曜日

親友の写真展



ぼくのたいせつな親友のひとりで、葉山に暮らす海洋環境研究者ヤマキさんが葉山の海と漁をテーマに写真展を開きました。会場は、森戸海岸に近い「カラバシ」。おいしいフードとインテリアからオーナーの高い美意識が感じ取れる、現在の葉山では希少な空間。店の2階が自由な雰囲気のギャラリースペースになっていて、海の気配を感じながらくつろぎ、地域のアーティストの作品を楽しむことができます。ヤマキさんは海のゆりかごと呼ばれる海草アマモを調査し、昔の海のように繁茂させる活動に尽力。そのかたわら、葉山の豊かな岩礁の海で漁をする美しい女性アキラさんを撮影し続けてきました。ヤマキさんはダイバーでもあるので、水中写真も展示。生まれて以来、海のそばで生活してきた地域の住民は意外と海中の様子を知らないもの。葉山の海がなぜ多様な生物に恵まれているのか、ヤマキさんの写真は雄弁と語り、地域住民はそのビジュアルにとても驚いている様子でした。



真摯な仕事ぶり、純朴な人柄がヤマキさんの写真からにじみ出てくるよう。表情もいい。日本で漁業に従事する女性のなかでも、たぶんダントツに絵になる人ではないでしょうか。彼女が牽引するであろう葉山の海の明るい未来もみえてきて、元気をもらえました。会場には近所の人たちがやってくる。アキラさんの知り合いだったり、彼女の友人の母親だったりするのですが、気さくで豪放、朗らかなキャラクターが場の空気を楽天的でなごやかなものにしています。穏やかで優しいマンマたちの姿は、まだ旅したことないけれど、南イタリアやシチリア島の漁師のカミさん像と重ね合わさる。そんな海辺のマンマによっておおらかに育てられたのがカラバシで働いているローカルガールたち。その屈託のない笑顔は心洗われるほど透明でナチュラルで、都会ではまず遭遇しないもの。ピュアな性格は環境と密につながっているのだろうと思います。改めて葉山っていいところだなと感慨にふけりました。

LEICA M-E, ELMARIT28mm