2016年1月9日土曜日

南青山へ郷土玩具を観に


今、日本でいちばん一緒に仕事をしたいイラストレーターが佐々木一澄さん。昨年はその願いが叶わなかったので、今年こそはと強く想いながら佐々木さんに会いに行きました。1月27日まで南青山、「OPA ギャラリー&ショップ」にて「日本の郷土玩具」展が昨年に引き続き開催。この展示を企画されているのが郷土玩具への深い愛情を持つ佐々木さんなのでした


江戸時代から親しまれていたという玩具。後継者と材料の不足により伝承が途切れ始めている現状を産地を訪ねて目の当たりにした佐々木さん。玩具の奥深い魅力を伝えることでその流れを食い止められないだろうかという考えで企画した展示なのだそうです。ショップには佐々木さんが集めた郷土玩具が販売されています。佐々木さんが描く絵のように、なんとも言えない温かみとユーモアがあふれる玩具たち。その色彩と造形に惹かれます。生真面目な民族とされる日本人、しかも黙々と玩具をつくる職人の方々がこれほどまでポップで自由気ままな創造性を発揮するなんて。日本人古来の洒落に感嘆し、嬉しくなります。すべて買い占めたくなる衝動に駆られながらも、ぐっとこらえてひとつだけ選びました。


1月8日から最初の一週間は、ショップに隣接するギャラリーで佐々木さんをはじめ、郷土玩具好きのイラストレーターによる郷土玩具の絵とその実物、佐々木さんの玩具コレクションを観ることができます。




上の3点は佐々木さんの集めてきたもの。なかには相当に古そうなヴィンテージものもあり、味わい深い。ものの色、かたち、そして表情。佐々木さんの選びように絵のタッチに通じるものを感じて、なるほどとうなづきながら鑑賞。


ぼくが選んだのは埼玉県鴻巣市で制作されている「白井家の赤物」という玩具です。金太郎が熊にまたがる「熊金」。300年以上前に考案された子供のお守りだとか。センスがとてもいいなと思っている人の眼で選ばれたものから、さらにひとつだけすくう。心踊りつつも、悩ましき選択となりますが、あれこれ考えすぎず、直感的に手を伸ばしました。決め手となったのは、葉山町内の古物商、大久保さんに譲っていただいたイヌイットの彫像に表情が似ていたこと。その類似点が何かの縁であろうと思いこんで決断に至ったのでした。この赤物は数多くつくってもらえない貴重なものだそうです。初日の一番に駆けつけた甲斐がありました。佐々木さんのイラストとともに、自分が最もくつろぐ場所に飾り、毎日眺めます。新年初の買い物が幸運からはじまり、こりゃ、縁起がいいなぁ。

LEICA M-E ,  MACRO-ELMAR90mm