2016年6月16日木曜日

カリブ憧憬




カリブ海をめぐるクルーズの記事を書くため、寄港地のひとつ、ジャマイカについて調べごとをしていたら、映画のシーンが思い浮かびました。ジャマイカが主要ロケ地となった映画『パピヨン』。実在の脱獄囚・小説家、パピヨンことHenri Charrièreを演じたのはスティーヴ・マックイーン。フランス領ギニアの悪魔島Île du Diable イル・デュ・ディアブル)と設定された断崖から海原へと飛び降りるラストシーンにからむ、ジェリー・ゴールドスミスによる旋律。そのビジュアルとせつなく美しい音楽が今も頭から離れません。映画の世界感を通じて、まだ旅したことのないカリブの島々、熱帯の広漠とした海洋の広がりへ妄想トリップしたいと、ランブリングレコードがDSDリマスタリングしたサウンドトラックをダウンロード。マスタリング・エンジニア葛巻さんの技術により、流麗なサウンドがチューニングでより美麗に蘇り、映画のなかへ没入していけます。リアルタイムで映画を観ていた人は葛巻さんが言うように、まさしく泣いちゃう!



そのカリブ海記事の材料を神保町のアートディレクターのもとへ運ぶ途中、事務所そばにある映画パンフ専門店の前で、ふと雷に打たれたかのような直感が走りました。店頭に置かれたどれでも108円コーナーのワゴン。そのいちばん手前に、赤い表紙と鎖のイラストのごく一部が見えた気がしたのです。もしや・・・と思い近づくと、なんと1973年公開当時のパンフレットではないですか!! そのとき頭のなかでは、パピオンのテーマ曲がずっと響いている状態でしたので、神がかり的というか、目に見えない何かに導かれたとかしか考えられません。神秘体験に震えながらレジに直行したのは言うまでもありません。ジャマイカを旅しろという啓示なのかな。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm/f1.4 ASPH.