2016年6月29日水曜日

あの人の愛した土産



美の感得を説き続けてくれた恩師。口は悪いけれど、心根はとびきり優しかった。仕入れや調査のひとり旅に出ると、店のスタッフや家族のためにたくさんの土産を買うことを欠かさなかった。自分の車での移動が主だったから、立ち寄るのは街道沿いの道の駅や地域の大きなマーケット。静岡の焼津さかなセンターもそのひとつ。あれこれ試食しながら吟味して選ぶ恩師の姿が目に浮かぶよう。ここでは佃煮をよく求めていたという。濃いめの味を好んだ恩師が手に取っていたであろう焼津の名産品が「まぐろ昆布」。





おにぎりに、酒の肴にぴったり。甘辛の味わいが後をひき、箸が止まらない。商品パッケージが味気ないものだったので、恩師が好きだった小鹿田焼の壺に移し替えました。大事に、ゆっくり食べていこうと思うのですが、箸を次々に伸ばしたくなる誘惑には勝てそうもありません。

LEICA M-E , MACRO ELMAR90mm/f4