2016年7月24日日曜日

美しい食と民藝の宴



三浦市の農家Tさんに招かれて、第2回グランピングBBQに参加。Tさん心づくしの誌的空間。好きなもので設えた会場の平穏無事な美に心酔します。好きなものとは、ただ美しいもの。ものの本質を直観で、まっすぐに、シンプルにとらえるTさんの眼と心が伝わってきます。




沖縄本島や大分・小鹿田のものを中心に健やかな器に盛られるのは、おのおのがつくり、持ち寄ったオードブル。食べる人を気遣う「本気」な一品が美しいやきもののうえで映えます。民藝の大皿と料理の理想的な組み合わせ。ぼくの日常ではめったに目にできない光景です。口に運ぶ直前、脇の畑で摘んだ野菜を添える。なんて贅沢な食体験!




多肉植物もTさんの幅広い趣味のひとつ。植木鉢も民藝のものをオーダーしていきたいですね。小鹿田の坂本浩二さんに制作してもらえたら最高。






三浦海岸駅前のコーヒーハウス店主Tさんがふるまってくれたサンドイッチと炭火で焚くダッジオーヴン料理。うひゃー、たまらん旨さ!






鶏肉はハラルのものを使用。切り分けるのは食材提供者である、久里浜のインド料理店オーナーシェフ。小鹿田の大皿と野趣に満ちた男のアウトドア料理。稀有なビジュアル。




植木鉢でDIYしたTさんのタンドールで炙る、カレースパイスをまぶしたチキン。デジタル温度計で温度を計測しながら、じっくり焼き上げる逸品。




贅を尽くした料理を堪能し、深く充たされた頃合いに、Tさんがコレクションを続々と披露。




日本の民藝だけでなく、世界各地の美しく素朴な手仕事に広く眼を向けている。




これは小鹿田の皿。焼成過程で偶然に生まれた火の芸術。黒い釉薬がごく淡いあずき色に変容。販売品にはならないけれど、民藝の美が表出する佇まいに、強く惹かれます。




鳥取にあった因久山窯3色掛け分け皿と、牛ノ戸焼の2色掛け分け皿。モダン民藝を推進した吉田璋也さん、工業デザイナー柳宗理さんを魅了したやきもの。貴重なヴィンテージ。




沖縄、金城次郎さん作と思われる壺。次郎さんのものとしか考えられない特有の風情がある。そこが凄い。






倉敷ガラスの小谷真三さんだけでなく、世界各地のガラス工藝も集めている。そんな視点、嗜好をもつコレクターは日本にはそう多くはないでしょう。




いつか手に入れたいアフガニスタンのコップ。ぽてっとしたフォルムがいい。欲しくてたまらないから、何度も写真を撮り、眼と心に焼き付けます。






編組品や木工品も興味の対象。やきものだけとかいう民藝ファンは多数いるけれど、Tさんは多様な嗜好をもつ。その広さに、ぼくは感服します。カゴは房総半島で花の栽培農家が使うもの(現行品)、下は李朝の骨董実用品。




宴は子供たちの花火でフィナーレへと移行。夏の風物詩が心にしみる。はじめからしまいまで美しいものに彩られた会場。心も体も大満足。Tさんと友人たちに深謝です。次回も楽しみだなぁ。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm/f1.4 ASPH.