2016年8月4日木曜日

木挽町にて



東京中央区にひっそりと残る味わい深きヴィンテージ建物に在る「森岡書店」。今は自分の仕事場から歩いてすぐの場所で一冊の本、書き手と読み手をつなぐ展示を精力的に催されています。8月7日までは美術作家、佐藤貢さんの漂着物などを用いた作品を白い壁の余白を存分に活かしながらディスプレイ。著書の「旅行記」も手に取り、買うことができます。




佐藤貢さんのことも、展示のことも知らなかったけれど、鎌倉の古書店「ウサギノフクシュウ」店主オグリさんがinstagramを通じて教えてくれました。漂着物、旅、2つのキーワードが差し出されたら、早く観に行きたくて、週明けの仕事も手に付きませんでした。作品の展示数は限られていますが、そのぶん、ひとつひとつの詩的な世界へ、じっくり潜降していける気がします。オグリさんが「旅行記」を絶賛する理由も本を開いてすぐに理解できました。チベット、トルコ石、最初に紙のうえで目に留まったふたつのテキストだけで、ぼくも「一気に読了」するほど魅了される予感がしたのでした。「ウサギノフクシュウ」でも「旅行記」を扱われているとのことなので買いに行かなくちゃ! オグリさん、ベリー・サンクス。

旧木挽町、現東銀座界隈の雰囲気のよいビルがどんどん壊されています。もうすぐ昭和通沿いの竹田ビルも。「森岡書店」はそうした文化遺産のひとつの内部に身を置き、建物に堆積した時代の空気を感得できる貴重な空間です。

LEICA M-E , SUMMILUX50mm/f1.4 ASPH.