2016年8月30日火曜日

中央区モダン #1



平日の毎朝、都営浅草線・東銀座駅から築地の端にある仕事場まで徒歩6分ほど。そのルート途中、大通り沿いや路地裏に、大正からぼくが生まれた昭和40年(1965年)くらいに建てられた近代建築物がぽつぽつと、ひっそりと残存しています。しかし、耐震性やら何やらの諸事情により、ある日突然解体され、消失してしまうケースも多々。あんまりのんびり構えていると、味わい深き姿を、西洋モダンに想いを寄せた当時の熱情や、ハイカラな美意識を二度と目にできなくなってしまいます。そこで、これから仕事場周辺の、東銀座、築地、新富町、湊町あたりに立つ近代建築を通勤途中、あるいは昼休みにスナップしていきたいなと思いました。建築散歩は中央区が調査したこのデータを参考になるものの、選定基準は不明ですが、リストにない該当物件も多いようです。

近々のニュースとしては、昭和通りに面し、1階にサヴォリの聖地「ルノアール」があった竹田ビル。昭和7年築の、このアパートメント建築(↑)も間もなく壊されてしまうようです。屋上のモルタル小屋に暮らしたら、どんな毎日が過ごせるのかな、なんて憧れていた物件だけに残念です。



調査対象にもならなかった東銀座の町家。銅板葺の緑青がたまらない風情。生活の気配が濃厚な佇まいに、より惹かれます。




森岡書店が入る鈴木ビルとなりの建築。ここもなぜか中央区の調査リストに入っていないけれど、茶色のタイルと看板の風情がなんとも魅力的店は幕を閉じたように見えるけれど、軒先には個人が手入れしていそうな植物が並ぶ。どんな使われかたをしているのだろうとドキドキ。すぐに飽きてしまうかもしれないけれど、しばらくライカと広角レンズ片手に界隈をうろうろします。

LEICA M-E , MACRO-ELMAR90mm/f4