築地は子どものころから親しむホームグラウンドだけど、市場場内での朝食や憩いは自分にとっては昔も今も特別な体験。市場移転が延期と決まった翌朝、仕事場に向かう前、場内で働く人に親しまれる「センリ軒」へ。観光客として喫茶を愉しみました。早朝からの仕事を終え、スポーツ新聞を眺め安らぐ人、職場の愚痴をシリアスにこぼす人。ローカルの濃密な空気のなか、アップルチーズパイとコーヒーをいただく。工員の暮らす長屋みたいな細く狭い空間を無駄なく使う工夫から日本人の叡智を感じつつ、気のよい店員さんとおしゃべり。さらりとして、気取らず。けれど温かい。その口調や語感は馴染み深い中央区特有の下町気質からくるもの。なごむなぁ。こうして朝いちばんに場内の活況に触れると得した気分になって、一日のいいスタートをきれる気がします。ちなみに、センリ軒は移転につきあい、商売を継続していくそうです。
LEICA M-E , SUMMILUX50mm / f1.4 ASPH.
